生活をつづけること

日記置き場

今週のお題 本棚の中身 

今週のお題について。

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私の本棚は白木で出来ている。大きなスライド式書棚で、前列がスライド式、後列が奥行きのあるボックスの二重構造のものだ。前列には文庫本などの背が低い本、後列には画集や絵本など大判の本を収納している。ここには全部で400冊ほどが収まっていて、ここに入り切らない量の本は買わない、もしくは整理をすると決めている。

 

 

本はここだけではなく、料理関係のものは台所、仕事に必要な参考書はデスクの上、読み返す頻度は低いが捨てられない本(思い出の一部となっているもの)は押し入れと、用途などに応じて家中に分散して置いてある。そういう場では小さな本立てを使っていて、こちらでも量が増えないように冊数を調節している。

台所のキッチンボード上の本たち。料理に関する本やレシピ集を20冊ほど並べている。
一番最近買った本は「完本マタギ」。濃くて面白い内容だった。
画面右のマトリョーシカは夫の友人のロシア土産。

 

白木のスライド式本棚は自室に置いてある。数年前、引っ越しに合わせて買い求めた。それまで使っていた飾り棚風のものより収納力が高く、整理整頓もしやすい。再び引っ越しをして部屋が2畳ほど狭くなったが、部屋の角に置けばそこまで圧迫感は感じない。

 

前列のスライド部分には、軽くて小さな本や手にする頻度の高い本を入れている。写真をご覧いただければおわかりかと思うが、私は本を几帳面に整列させる方ではない。図書館の書棚のような整然とした美しさも好きだが、自分で管理する分にはこれで充分だと思っている。

スライド部分、上部の本たち。
どれもお気に入り、かつ昔から何度も読み返してきたものたちだ。
昔から海外の児童文学が好きで、今も本棚の大部分を占めている。

右下にある偕成社版の「グリム童話集」は訳に加え挿絵が素晴らしく、
子供のころから大好きなシリーズだ。
最近買い直したところ、訳の内容が時代に合わせて変化していた。
例えば「おぜんや料理のしたく」が「テーブルや料理の用意」に変更されており、
気づいた時は少し寂しい気持ちになった。

 

スライド部分、中段の本たち。
私は本棚を宝箱としても使っていて、大切な雑貨や
捨てられない贈り物の箱なども置いてある。

何度も読み返したり、学生時代に教科書として使っていたりした本は
カバーも行方不明、ページ上部も擦り切れている。

ボックス部分より一枚。
こちらも何度も一緒に引っ越しを重ねた本たち。
手前にいるのは張り子作家・イラストレーターのぶぶちよさん(@bubuchiyo)
作の張り子たち。個展で買い求めた。

「白鳥の王子」は私が生まれる前から実家にあったもので、
装丁とフルカラーの挿絵が本当に美しい。

乾石智子氏のファンタジー小説は非常に面白い。
何より情景描写が逸品だと思う。土地や空気や風を鮮やかに描写する。
世界は人によってのみ成り立つのではなく、世界に内包して人々が生きているんだと
思わせる筆致で、物語をより骨太で読み応えのあるものにしている。



 

かなり幸福だと思う時間に、外出前に本棚の前で本を選ぶ時間がある。本棚には好きなもの、愛着のあるものだけがぎっしり詰まっていて、そこからその日の気分に合った一冊を選び出す。移動時間が長ければ読み応えのあるものを、荷物が多い日なら嵩張らない薄いものを。そんなことも加味しながら選び出す時間はとても幸せだ。シリーズものが途中で途切れていることに気がついて、出先に書店があるといいのだけど、と思ったりするのも楽しい。

 

本棚は私を構成するものの一つだ。棚自体にも、その中身一冊一冊にも愛着があり、離れ難く愛おしい。元々ものに執着する性質だが、本には格別思い入れがある。願くば、今後も心の赴くまま、思うままに本を愛し続けていきたい。