雑記 永遠に出られない部屋
昨年末、ipadのデータ整理をした。
いらない写真や書類を整理して、最後にPagesを開くと、「短編」と「短編2」と書かれたファイルが出てきた。
保存された日付を見ると、二つのファイルは去年の8月に作成されていた。
去年の夏頃に書くのをやめていたから、その直前に書いていたものらしい。全く記憶になかった。書いた記憶事態はあったが、データをどこに保存したかは全く覚えていなかった。
自分の書いたものに対する執着すら、持つ気概をなくしていたんだと思った。
自分から生まれたものに一切価値を感じることができず、もういいのだと拗ねた子供のように思っていた。
創作は己の悲鳴なのに、そこから目を背けて楽になれると思ったのだろうか。
書いても苦しい、書かなくても苦しいのだ。
「価値を感じる」なんて次元で物を書いていないのだ。もっと深くて暗い、私だけの穴を天国として、地獄として、永遠に出られない部屋に居住するだけなのだ。
自傷をするならもっと深く抉るくらい、直接的にやれと思う。
書いて書いて、書いた先に、一瞬だけ雲の切れ目から注ぐ日の光が見えることがある。ご褒美でもなんでもない、ただとても綺麗な光。
私の裡中があらゆる罵声、あらゆる憎悪に蝕まれていたとしても、あの光が見られるなら悲鳴を上げて生きていくのだと思う。
ファイルの中身は児童小説だった。